魅力度の高い地域
田舎の暮らしの基本は、細かく時間に追われない、ゆったりとした生活が何と言っても魅力になっているわけですが、環境自体もかなり違います。
都市部の大気汚染や水の汚染についてはかなり改善されつつありますが、それでも利便性が優先されがちで、どうしても犠牲になっていることも多くなっています。
田舎の山から湧き出た自然水は、ミネラルの豊富なおいしい水ですし、空気も澄んでいます。大気汚染の原因となる二酸化炭素は、山や豊かな森が吸収してくれます。こうした環境の中での澄んだ青い空や、緑のある景色は、都会では味わえない、絶対的な魅力です。
さて、実際に田舎暮らしをする場所を選ぼうということになるわけですが、ひとくちに田舎といってもいろいろな場所があります。日本でもブータン発のコンセプトということで、GNH(国民総幸福)に注目しようとする動きがあり、法政大学大学院の坂本教授研究チームの「幸福度ランキング」が話題にもなりました。
これは4部門(生活・家族部門、労働・企業部門、安全・安心部門、医療・健康部門)を10段階で評価して総合点を出したものなのですが、その結果では、長野県が1位になっています。
長野県は大都市である東京都よりも、基本指標、文化、教育分野で順位が下になっていますが、「健康寿命」などの分野が1位で、雇用や持ち家率、インフラ整備環境などでも2位となっています。つまり、長野県は田舎暮らしの希望地域として人気が高くなっているわけです。
美しい山々の景観も好イメージになっていると思います。英誌「エコノミスト」での世界各都市ランクではトップだった大阪府は、GNH(国民総幸福)では順位が低く、これは治安の悪さ、生活保護受給者の多さ、平均寿命の短さ、保育所定員比率の低さなどが影響しているそうです。
これも見方の問題で、何を「幸福」と感じるかは難しいのですが、自分のイメージをしっかり持って、選択したいものです。